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大阪高等裁判所 平成6年(行コ)22号 判決

控訴人

尼崎労働基準監督署長室田敏郎

右指定代理人

中牟田博章

岸上温幸

宗光甫友

森信雄

長谷川求

被控訴人

大池さつ子

右訴訟代理人弁護士

上原邦彦

渡部吉泰

松山秀樹

本上博文

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一控訴の趣旨

一  原判決を取り消す。

二  被控訴人の請求を棄却する。

第二当事者の主張

一  当事者の主張は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決の「第二 事案の概要(原判決二枚目表二行目(本誌六五七号〈以下同じ〉78頁1段1行目)から同一〇枚目裏一行目(81頁4段13行目)まで)のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決二枚目表四行目の「脳出血」(78頁1段6行目)から同行目の「発病して」(78頁1段7行目)までを「タクシー乗務中に脳出血(以下、『本件発症』という。)を発病し、約二週間後に」と改める。

2  同二枚目表一一行目の「労働者災害補償法」(78頁1段21行目)を「労働者災害補償保険法」と訂正する。

3  同二枚目表一四行目の「争いのない事実」(78頁1段25行目)を「争いのない事実等」と改め、末行の「義則は、」を「義則(大正一〇年二月二五日生、身長一五二・五センチメートル、体重約七〇キログラム・乙一二、一三号証)は、」と改める。

4  同三枚目表一〇行目の「受けたが、」(78頁3段11行目)と「意識不明」との間に「来院時の血圧は一八〇―一二〇で」を挿入し、同一一行目(78頁3段14行目)のあとに続いて、「義則の死亡を看取った杉安医師は、義則の頭部に外傷がなく、来院時の血圧が上昇していたところから診て、仕事中のストレスによる血圧上昇により発作と推定するとの意見を述べている(乙二〇号証)。」を付加する。

5  同三枚目表一四行目の「かねてより」(78頁3段19行目)と「高血圧症」との間に「軽度の」を付加する。

二  当審における控訴人の補充主張

1  原判決は、被災労働者が有していた既存の疾病(基礎疾病)が発症の条件又は原因となっている場合でも、業務の遂行がその基礎疾病を自然的経過を超えて増悪させた結果、より重篤な疾病を発症させて死亡の時期を早める等、業務の遂行がその基礎疾病と共働原因となって死の結果を招いたものと認められる場合には、相当因果関係が肯定されると解し、基準は裁判所を拘束しないと判示する。

しかし、使用者の無過失災害補償責任を担保する労災保険法の趣旨・目的に照らすと、業務起因性が認められるためには、当該疾病等が当該業務に内在もしくは通常随伴する危険の現実化と認められる関係が存在することが必要であるというべきである。この場合、当該業務に当該疾病を発症させ得る有害因子、危険を内包するものか否かは、客観的に他の事案に当てはめても発症の原因になるであろうという事実が肯定されて初めて、かかる有害因子、危険を内包する業務と当該疾病との間の因果関係が認められるべきである(客観的相対的有力原因説)。そして、基準は、専門家会議の報告書(〈証拠略〉)に基づき、現在における医学的な最高水準の知見を基礎としているものであって、その内容は十分な合理性を有するから、司法判断においても尊重されるべきである。よって、原判決が共働原因説を採用し、かつ、基準から離れて因果関係を認定したのは不当である。

2  原判決は、義則のような高血圧の基礎疾病を有する高齢者にとって、タクシー運転業務、特に夜間のそれは身体的、心理的緊張による血圧上昇を伴うものであるとして、発症前の義則の業務が過重であったと認定する。

しかし、タクシー運転による血圧上昇が他の業務より著しいとの医学的評価は確立されていないし、深夜交代制労働専門家会議は深夜勤務と高血圧症との因果関係を直ちには肯定していないこと(〈証拠略〉)、隔日勤務の過重性について、乗務の終了から次の乗務の開始まで三〇時間あり、その間に十分な休息、睡眠が可能であったこと、隔日勤務の乗車時間、走行距離時間を一日の平均値に置き直すと日勤よりも少なくなっており、義則自身、隔日勤務の方がよいと述べていたこと(〈証拠略〉)被災者本人を基準として過重性を判断するのでは、相当因果関係の判断基準としての機能が殆どはたらかなくなること、義則の本件発症の一日前、一週間前の業務量は過重なものではなく、同僚と比較しても少ないこと、義則は入社当時から高血圧症に罹患しており、拡張期血圧が一〇〇を超える高い測定値がしばしば観察され、全体として上昇傾向にあった上、網膜の中心動脈に軽度の交叉現象、高血圧症の眼底所見があり、風邪による抵抗力の低下もあったので、以上の諸点にかんがみると、義則の高血圧症は本件死亡に対する極めて重要な因子であったというべきである。

第三証拠

本件記録中の原審及び当審における証拠関係目録記載のとおりであるから、これを引用する(略)。

理由

一  業務起因性の要件、判断基準

被災労働者の遺族に対して労災保険法上の保険給付が行われるのは、「労働者が業務上死亡した場合」であり(労災保険法一二条の八第二項、労働基準法七九条、八〇条)、「労働者が業務上死亡した場合」とは、労働者が業務により負傷し、又は疾病にかかり、右負傷又は疾病により死亡した場合をいい、業務により疾病にかかったというためには、疾病と業務との間に相当因果関係のあることが必要であるが、右の相当因果関係があるというためには、必ずしも業務の遂行が疾病発症の唯一の原因であることを要するものではなく、当該被災労働者が有していた既存の疾病(基礎疾病)が条件となっている場合であっても、業務の遂行が右基礎疾病を自然的経過を超えて増悪させた結果、より重篤な疾病を発症させて死亡の時期を早める等、業務の遂行がその基礎疾病と共働原因となって死の結果を招いたものと認められる場合には、相当因果関係が肯定されると解するのが相当である。

なお、控訴人は、本件のような脳血管疾患の場合の業務起因性の認定は基準によるべきであると主張するが、基準は、業務上外認定処分を所管する行政庁が処分を行う下部行政機関に対して、行政の適正、迅速処理のための運用の基準を示した通達であって、業務外認定処分取消訴訟における業務起因性の判断について、裁判所を拘束するものではないから、控訴人の右主張は採用することができない。

二  そこで、右の見地に立って本件における業務起因性の判断の基礎となる事実関係についてみるに、原判決一〇枚目裏四行目(81頁4段17行目)から同一四枚目表八行目(83頁2段26行目)までの認定事実は、次のとおり付加、訂正するほか正当であるから、これを引用する。

1  原判決一〇枚目裏七行目の「会社の要求もあって、」(81頁4段22行目)を「会社の方針により、昭和五七年五月一九日ころ及び昭和五九年二月二〇日ころと二回にわたり隔日勤務に就くよう求められていたが、日勤の方がよいとして右要請に応じないできたところ、昭和五九年一一月ころにまた隔日勤務への変更を要請され、高齢かつ一年契約の嘱託の身であるため三回目は断り切れず、」と改める。

2  同一一枚目裏三行目(82頁2段9行目)のあとに続いて次のとおり付加する。

「しかし、隔日勤務に従事する同僚一七名の年齢構成はその当時で三六歳から五六歳までで全員義則よりも若く、五六歳、五二歳、五一歳が各一名の外は、四〇代の者(四四歳から四九歳まで)が九名と一番多く、義則のように六三歳の年齢で隔日勤務をする者はいない。」

3  同一一枚目裏七行目(82頁2段16行目)のあとに続いて次のとおり付加する。

「また、年間における最多忙時は一一月中旬から一月中旬である。交安タクシーと同業の訴外阪神タクシー株式会社の運転手七一〇名中、隔日勤務は七〇五名で、最高年齢者は六五歳(日勤)であるが、六当務に一公休から四当務に一公休へ、次いで昭和五三年一月一六日からは三当務に一公休へと、公休を増加させており、日勤に就いている者は長期病欠から復帰した者、高齢者等体力の劣る者だけである。」

4  同一一枚目裏一三行目の「昭和五九年六月二九日」(82頁2段21行目)を「昭和五九年六月二三日」と訂正する。

5  同一二枚目裏八行目の「血圧」(82頁4段7行目)から同末行(82頁4段21行目)までを次のとおり改める。

「血圧の測定値がWHOの高血圧症判定基準(一九七八年)上の高血圧領域(収縮期血圧一六〇以上―拡張期血圧九五以上)を示した場合が昭和五四年四月一二日、同五七年四月一七日、同年一〇月一六日、同五八年一〇月二九日、同五九年一〇月二九日の五回、境界域(一四一以上一五九以下―九一以上九四以下)を示した場合が昭和五五年一〇月八日、同五六年四月四日、同年一〇月三一日、同五九年五月一二日の四回、正常域(一四〇以下―九〇以下)を示した場合が昭和五五年四月五日、同五八年五月七日の二回あり、これらの血圧測定値からすれば、義則は、本件発症前に、境界域高血圧症の基礎疾患を有していたと認められる。」

6  同一四枚目表七行目(83頁2段25行目)のあとに改行して次のとおり付加する。

「 さらに、タクシー運転業務、特に夜間のそれは身体的、心理的緊張による血圧上昇を伴うものである上、高血圧の者は健康な者よりも血圧の変動が大きく、上昇した血圧は下がりにくい傾向がある。」

7  同一四枚目表八行目の「甲七八ないし八一、」(83頁2段26行目の証拠・人証略の部分)を「甲七八ないし八二、」と改める。

三  業務起因性の有無について

1  異常な出来事の有無

義則が本件発症の直前に急病人を病院へ運んだため精神的緊張を強いさ(ママ)れた事実又は運転中に何者かの飛出行為に遭遇した事実を直接証明する証拠はなにもない。(証拠略)及び前記争いのない事実によれば、義則は、午後三時三〇分ころ本件発症のために意識を失い、乗車車両を道路左端に設置されている電柱に当てた状態で発見されたものであるところ、時間的にもまだ明るい上、義則の身体に外傷はなく、また、現場付近の道路は幅員約六メートルの直線道路で見通しはよく、乗車車両のバンバ(ママ)ーの凹損も軽微であったことが認められ、右事実によれば、義則はさほど高速度で走行してはいなかったと推認されるから、右側からの飛出に対しては、左端の電柱に衝突するまでもなく回避が可能であったと考えられるし、左側からの飛出に対しては、右にハンドルを切るのが自然であるから、義則が本件発症時に事故回避のための運転をしたとは認め難い。したがって、本件発症が精神的緊張を強いられたり、又は業務中の異常な出来事に遭遇したために生じたものと認めることはできず、これを理由として業務起因性を肯定することはできない。

2  義則の業務の過重性

しかしながら、前記争いのない事実及び前記認定事実によれば、隔日勤務の場合は、一日の乗車時間及び走行距離が長くなり、深夜まで勤務が続く反面、翌日が非番になり、休息を取り得る時間も長くなるといえるものの、深夜労働を伴う長時間の勤務は、昼は働き夜は休息するという人間の自然な生活リズムに反する面があることは否めず、さらに、同業のタクシー会社において、公休を増やしている上、高齢者又は体力の劣る者が日勤業務に従事していることに徴しても、会社における六ないし七当務連続という隔日勤務は、健康な乗務員にとってもかなり重い勤務であるというべきであるから、非番の日では疲労回復が十分でなく、疲労が蓄積する傾向があると考えられ、このことからも、義則のように年齢も高く高血圧症の基礎疾病を有する者にとっては、隔日勤務は過重な勤務であったと認められる。

特に、前認定の昭和六〇年一月中旬における義則の勤務のような実質九当務連続の勤務は、勤務の翌日が非番であっても、それだけでは疲労を回復するに足りず、このような隔日勤務を連続することは、義則のような基礎疾病を有する者にとっては、過重な負担であったと認めるのが相当である。

もっとも、前記認定事実によれば、義則の業務量は、同僚と比べて決して多い方ではなかったものではあるが、隔日勤務に従事する同僚らは四〇代が多くて、皆義則(当時六三歳)より若く、六〇歳を超えた者はひとりもいない上、同じ業務量であっても、健康な者と基礎疾病を有する者とでは、業務によって受ける影響は異なり、また、高血圧症の基礎疾病を有する者は健康な者に比べて血圧の変動が大きく、上昇した血圧は下がりにくいことにかんがみると、高血圧の基礎疾病を有しかつ高齢者である義則にとって、本件発症前における業務は過重であったというべきである。

これに対し、控訴人は、非番日が休息に当てられているほか、昭和六〇年の年始めにはまとめて休日をとっているので、義則が疲労を回復することは可能であったと主張するが、義則のように年齢が高くかつ基礎疾病を有する者は、若くて健康な者に比べると疲労回復が遅いことに加え、連続休暇のあと年始の繁忙期に九当務連続して勤務していることを考慮すると、右休日及び非番日があったとしても、過重な業務による影響を遮断するに足りるほど十分なものであったということはできない。

3  以上の事実によれば、本件は、高血圧症の基礎疾病を有してはいたものの、さほど重篤なものではなく、しかも昭和五九年一一月初めころにおいても、投薬の必要はないものとして、生活指導を受けたに止まる義則が、酒、煙草を嗜まないのに、隔日勤務変更の二か月後に脳出血を発症したものであるところ、前記のとおり右発症前の業務が義則にとって過重であったことを考慮すると、義則がその基礎疾病の自然的経過によって脳出血を発症したものとは考え難い。むしろ、前記認定にかかる義則の年齢、健康状況、基礎疾病の内容・程度、業務の変更とその勤務状況及び変更後本件発症から死亡に至る経過を総合すると、義則は、隔日勤務に変わってから年末年始の最多忙時における職務の遂行による持続的な肉体的・精神的疲労及びストレスが、同人の基礎疾病を自然的経過を超えて増悪させる大きな要因となり、そのため隔日勤務のタクシー乗務中に血圧の上昇を来たし、脳内小動脈瘤が上昇した血圧に耐えられなくなって脳出血が発症し、死亡するに至ったものと認めるのが相当である。

なお、控訴人は、義則は肥満及び糖尿病(疑い)等の危険因子をも有しており、これらの事情を勘案すれば、本件発症は業務によって増悪したものでなく、基礎疾病である高血圧症がたまたま乗務中に自然的経過によって発症したものであると主張する。しかし、(証拠略)によれば、肥満及び糖尿病(疑い)は重篤なものではない上、肥満や糖尿病は脳梗塞の危険因子ではあっても、高血圧性の危険因子ではないという疫学的な調査結果の報告もあることは前記認定のとおりであるから、右肥満や糖尿病(疑い)があるからといって、直ちに義則の本件発症が、その基礎疾病の自然的経過によって生じたものと認めることはできず、右主張は採用できない。

以上によれば、本件発症は義則の基礎疾患と業務が共働の原因となって生じたものと認められるから、本件発症には業務起因性があり、したがって、義則の死亡は業務と相当因果関係があると認めるのが相当である。

二(ママ) 控訴人の当審における補充主張について

1  控訴人は、業務と死亡との間の相当因果関係を判断するにつき共働原因説に立脚し、基準を尊重しないのは不当であると主張する。労働基準法及び労災保険法による労働者災害補償制度の趣旨は、労働に伴う災害が生じる危険性を有する業務に従事する労働者について、右業務に内在ないし随伴する危険性が発現し、労度を(ママ)災害が生じた場合に、使用者の過失の有無にかかわらず、被災者の損害を填補するとともに、被災者及びその遺族の生活を保障しようとすることにあると解される。そして、労災補償の要件として、労働基準法七七ないし八〇条等において「業務上負傷し、又は疾病にかかり」、「業務上死亡した場合」と規定し、労災保険法一条において「業務上の事由により」と規定するほか、何ら特別の要件を規定していないことからすると、業務と死傷病との間に業務起因性があるというためには、前記一項において判示したとおり、当該業務により通常死傷病等の結果発生の危険性が認められること、すなわち、業務と死傷病との間に相当因果関係の認められることが必要であり、かつ、これをもって足りるものと解される。したがって、前記一において判示したとおり、死亡が必ずしも業務の遂行を唯一の原因とする必要はなく、当該労働者の素因や基礎疾病が原因となって死亡した場合であっても、業務の遂行が当該労働者にとって精神的・肉体的に過重負荷となり、基礎疾病を自然的経過を超えて急激に増悪させて死亡の時期を早めるなど基礎疾病と共働原因となって死亡の結果を発生させたと認められる場合には、右死亡は「業務上の死亡」であると認めるのが相当であり、このように解するのが労働基準法及び労災保険法の趣旨・目的に適うものであると考えられる。また、基準が本件処分取消訴訟における相当因果関係の存否の判断を直接拘束するものでないことは既に説示したとおりである。したがって、控訴人の右主張は採用することができない。

2  次に、控訴人は、義則の基礎疾病である高血圧症こそが本件発症の極めて大きな要因となったものであって、業務は過重ではなかったと主張する。(証拠略)によれば、タクシー運転による血圧上昇が他の業務より著しいとの医学的評価は確立されていないことが認められる。また、(証拠略)及び原審における被控訴人本人尋問の結果によれば、義則は被控訴人に対し隔日勤務の方がよいと述べていたことが認められるが、前記認定事実によれば、義則は隔日勤務への変更要請に断り切れずに承諾したものであり、そのため好きな少年野球のコーチもできなくなったのであるから、本心からそのような発言をしたとは受け取れない。さらに、(証拠略)によれば、義則は昭和五九年六月二三日樋口眼科を受診し、両眼に軽度の交叉現象があると診断されたものの、義則の年齢になれば軽度の硬化を認めるのが普通と診断され、特にこれに対する治療を受けていない上、同年一〇月末から治療を受けた風邪も一週間で治癒したことが認められるので、本件発症時身体の抵抗力が低下していたとは認めがたい。そして、義則が六三歳という年齢になってから隔日勤務へ変更になったこと、基礎疾病である高血圧症の程度が軽度であって特に治療を要するものではなかったこと、隔日勤務への変更後必ずしも十分な休息がとれず、特に年始休み後には九当務連続して勤務に就いていたこと等の事実に照らし、本件発症前における義則の業務は義則にとって過重なものであったと認めるのが相当であることは、既に判示したとおりである。もっとも、控訴人は、被災者本人を基準にして過重性を判断するのは不当であると主張するが、本件のような過労死の事案における業務と発症との相当因果関係を判断するためには、定型的、形式的判断ではなく、被災者の年齢、基礎疾病等の具体的事情を考慮し、業務の質、量、発症に至るまでの経過等を総合して認定した上判断するのが相当である。したがって、右主張は採用できない。

三  以上によれば、義則の死亡について業務外であるとした本件処分は違法であり、その取消を求める被控訴人の控訴人に対する本件請求は理由があるので、これを認容した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないのでこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井関正裕 裁判官 鏑木重明 裁判官 岩田眞)

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